●80対20の法則
少数のものだけが非常に役立ち、大きな影響力をもつ
1897年イタリアの経済学者ブィルフレード・パレートは、国や時代とは関係なく富や収入の分布に一定のパターンがあることを発見した。そのパターンは上辺に著しく偏っていた。つまり、少数の稼ぎ頭がつねに結果の大部分を生み出していたのだ。 80対20の法則とは、結果の80%は原因の20%から生じるというものである。これは経済学やビジネス、多くの科学の分野で立証されている経験主義的な「法則」である。つまり、万物の大半はほとんど価値がなく、殆ど成果を生まない。80と20の数字には特別な意味がなく、単なる概算である。ポイントは世界は50対50ではないということだ。努力はそのまま報酬に結びつかないのだ。
万物の大半は、無意味な雑音だが、少数の力はきわめて強力で想像力に富んでいる。
まとめ部分で、経営(産業)資本主義から個人資本主義へ資本主義の革命が起こっていると説く。考えてみれば情報を活用した資本主義は、著しく生産性を上げ、市場には商品が溢れる状況が生まれた。商品を生産すれば利益の上がる世の中では、なくなった。
主役は、利益創造の出来る個人に移ってきている。アップル、アマゾン、グーグルなどが時価総額でもTOPに顔出ししている。嫌でも資産は個人に移ってきている。大企業が有利という時代ではない。
昨今吹き荒れるリストラなど、大企業だって苦闘している。そして所得格差が大きな社会問題となっている。大企業を悪者にしても問題は解決しない。資本主義構造の変化をわかっている人がどれだけいるかと思うとき、考えるヒントを与える良書だと思う。
(80対20の革命・・リチャード・コッチ)
80対20の法則は、経営コンサルティングの---ひいてはビジネス全般の---偉大なる真理の一つだ。
どこを向いても実例が目に入る。売上の八割を販売部門の二割が独占している。秘書の勤務時間の八割が仕事の二割にとられている。富の八割を人口の二割が独占している。つねに必ず、というわけではない。二度あることが三度目に起こらないこともある。しかし、80対20の法則の実例が存在しないか、あなたのビジネスにつねに目を凝らしていれば、、その改善法も考えつくはずだ。
(マッキンゼー式世界最強の仕事術)イーサン・M・ラジエルより
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